ヒアルロン酸豊胸は危険!知っておくべきリスクと検診への影響

手軽にバストアップができる一方でヒアルロン酸豊胸にはしこりや乳がん検診への支障といった深刻な健康被害のリスクが潜んでいます。注射一本で完了するプチ整形というイメージが強い施術ですが注入された異物が体内でどのような変化を起こすのかを正しく理解することが大切です。ヒアルロン酸豊胸で悩む方は一度ご相談ください。

目次

ヒアルロン酸豊胸が危険視される最大の理由はしこりの発生

自然治癒が難しい石灰化したしこりの実態

ヒアルロン酸は本来体内に存在する成分であり、時間の経過とともに吸収されると説明されることが一般的です。しかし、バストという大きな組織に大量のヒアルロン酸を注入した場合、すべてが綺麗に吸収されるわけではありません。注入されたヒアルロン酸の周囲に膜が形成され、カプセル状になって体内に残ってしまうことがあります。これが、いわゆるしこりの正体です。

さらに時間が経過すると、このしこりにカルシウムが沈着して石灰化という現象が起こります。石灰化したしこりは、マッサージや時間の経過で自然に消えることはありません。触れると硬い異物感があり、見た目にも不自然な凹凸が生じることがあります。一度石灰化が進んでしまうと、ヒアルロン酸を溶かす注射であるヒアルロニダーゼも効かなくなるため、解決が非常に困難になります。

しこりを除去するために必要な処置とリスク

形成されたしこりを取り除くためには、複数の段階を踏む必要があります。初期の柔らかい状態であれば、溶解注射によって分解を試みることが可能ですが、これには追加の費用と時間がかかります。また、一度の注射で完全に溶け切るとは限らず、複数回の通院が必要になるケースも珍しくありません。

さらに、石灰化が進行してしまった場合や、広範囲にしこりが散らばっている場合は、注射での対応が不可能です。この段階になると、皮膚を切開して物理的にしこりを掻き出す手術が必要になります。せっかく傷跡を残さないためにヒアルロン酸注入を選んだにもかかわらず、最終的に大きな切開痕が残ってしまうという本末転倒な結果を招く恐れがあるのです。手術による体への負担や精神的なストレス、さらには高額な修正費用が発生することも、この施術が危険と言われる大きな要因です。

ヒアルロン酸は顔への注入と異なり、胸には100cc以上の大量を注入します。このボリュームがしこりのリスクを格段に高めるため、安易な判断は禁物です。

乳がん検診への支障が命に関わるリスクになる

マンモグラフィ検査で病変との見分けが困難になる

女性にとって非常に重要な乳がん検診において、ヒアルロン酸豊胸は深刻な障害となります。マンモグラフィやエコー検査を行う際、注入されたヒアルロン酸や、それによって形成されたしこりは、画像上で白い影として映り込みます。困ったことに、この影は初期の乳がんや微細な石灰化と非常によく似た見え方をします。

医師が画像を見た際、それが単なるヒアルロン酸の影響なのか、それとも命に関わる癌細胞なのかを判別することが極端に難しくなります。その結果、本当の病変を見逃してしまったり、逆に異常がないのに精密検査を繰り返すことになったりと、適切な診断の妨げになります。早期発見が何より重要な乳がんにおいて、この診断の遅れは文字通り命に関わるリスクといえるでしょう。

検診自体を拒否されるケースも少なくない

ヒアルロン酸が注入されている胸は、マンモグラフィ検査で強く圧迫することで注入物が破裂したり、周囲の組織に広がったりする恐れがあります。このようなトラブルを避けるため、多くの検診施設や医療機関では、豊胸手術を受けている方のマンモグラフィ検査を断るケースが増えています。

検診を受けられる施設が限定されてしまうだけでなく、受けられたとしても正確な診断が下せない可能性があるという事実は、将来的な健康管理において大きなデメリットです。バストを美しく見せるための施術が、自分の健康を守るための検査を阻害してしまうという矛盾を、施術前に重く受け止める必要があります。

検診で見落としが発生するリスクは、施術から数年経った後でも消えません。一生付き合っていく自分の体のこととして、長期的な視点で考える必要があります。

感染症や炎症が引き起こす緊急事態のリスク

抗生剤が効かない重度の感染症の恐怖

ヒアルロン酸注入は注射器を使用するため、針穴から細菌が侵入するリスクが常に伴います。通常、清潔な環境で施術が行われますが、体内に大量の異物を入れる以上、感染のリスクをゼロにすることはできません。特に、ヒアルロン酸の塊の中に細菌が入り込んでしまうと、そこは血液循環が届かない場所であるため、本来であれば効果を発揮するはずの抗生剤(飲み薬や点滴)が届きにくくなります。

感染が起こると、胸全体が赤く腫れ上がり、激しい痛みや高熱を伴います。もし抗生剤で症状が改善しない場合は、体内の細菌の温床となっているヒアルロン酸を、緊急ですべて抜き出す処置を行わなければなりません。対応が遅れると、組織が壊死したり、全身に毒素が回る敗血症などの重篤な状態に陥る危険性もあります。

慢性的な炎症が引き起こす組織の硬化

急性的な感染だけでなく、長期間にわたってじわじわと続く慢性的な炎症も問題です。体にとってヒアルロン酸は異物であるため、免疫機能がそれを排出しようと常に働き続けます。この微細な炎症が続くことで、周囲の正常な組織がダメージを受け、バスト全体が硬くなったり、左右差が生じたりすることがあります。

炎症によって組織が癒着してしまうと、後から脂肪注入豊胸やシリコンバッグ豊胸への入れ替えを希望しても、手術が非常に困難になることがあります。一時的な満足感のために、将来の選択肢を狭めてしまうだけでなく、常に炎症の不安を抱えながら生活することになるのは、決して安全な状態とは言えません。

一度感染が起きると、せっかく注入したヒアルロン酸をすべて取り除かなければならない場合がほとんどです。その際の精神的ショックは非常に大きなものになります。

科学的根拠の欠如と世界的な規制の現状

アメリカやフランスでは豊胸目的の使用が禁止・非認可

驚くべきことに、美容先進国と言われるアメリカやフランスでは、豊胸を目的としたヒアルロン酸注入は認められていません。アメリカの食品医薬品局(FDA)は、その安全性が十分に証明されていないとして認可しておらず、フランスでも同様の理由で使用が禁止されています。これは、先述した乳がん検診への悪影響や、長期的な安全性が担保されていないことが主な理由です。

世界的な基準で見れば、ヒアルロン酸をバストに注入する行為は、推奨されない危険な施術として認識されているのが実情です。他国で禁止されている理由を冷静に分析すると、日本で現在も行われている背景には、医学的な安全性よりも商業的な側面が強く反映されている可能性を否定できません。

日本美容外科学会(JSAPS)による警告と現状

日本国内においても、形成外科医を中心に構成される「日本美容外科学会(JSAPS)」などが、豊胸目的のヒアルロン酸注入に対して強い警告を発しています。「安全性が確認されるまで、安易に行うべきではない」という見解が示されており、専門家の間でもその危険性は広く認知されています。

しかし、現在の日本の法律では、医師の裁量によって未承認の薬剤を使用することが禁止されていないため、一部のクリニックでは今もなお、利益を優先して施術が継続されています。学会が危険だと指摘しているにもかかわらず、法的に禁止されていないからといって安全だと思い込むのは非常に危険です。消費者は、クリニックの宣伝文句だけでなく、公的な医学会の声明にも耳を傾ける必要があります。

世界的な規制がある中で日本でだけ普及している現状は、異常とも言えます。安い・手軽という言葉の裏にある、医学的な根拠のなさを忘れないでください。

ヒアルロン酸豊胸に関するよくある質問

ヒアルロン酸のしこりが癌に変わることはありますか?

ヒアルロン酸そのものが直接的な原因となって癌を発生させるという医学的根拠は現在のところありません。しかし、重大な問題は、しこりがあることで癌の早期発見が遅れることです。しこりと癌を見分けることが難しいため、もし癌が発生していたとしても、それがヒアルロン酸のしこりだと思い込んで放置してしまうリスクが極めて高いのです。癌にならないから安心、というわけではなく、癌を見つけるのを邪魔するという点が最大の危険性です。

少量の注入であればしこりになる心配はありませんか?

注入する量が少なければ、大量に注入する場合と比較してしこりのリスクは下がりますが、ゼロになるわけではありません。体質や注入技術によっては、数cc程度の少量であっても異物反応が起こり、しこりが形成されるケースはあります。また、少量であっても乳がん検診の画像に影として映り込むことに変わりはありません。安全を第一に考えるのであれば、量に関わらずリスクが存在することを覚悟しておくべきです。

注入してから何年くらいで危険な状態になりますか?

危険が生じる時期には個人差があり、一概に何年と言うことはできません。施術直後に感染症を起こして緊急処置が必要になることもあれば、3年から5年、あるいは10年ほど経過してから、徐々に石灰化が進んでしこりが目立ち始めることもあります。また、加齢とともにバストの脂肪が減ってくると、それまで目立たなかったヒアルロン酸のしこりが浮き出てくることもあります。一度注入したものは、たとえ吸収されたように見えても、組織の中に何らかの形で残存している可能性を常に考慮すべきです。

ヒアルロン酸を溶かせば元の胸に戻れますか?

多くの場合は溶解注射で改善を期待できますが、完全に元通りになるとは限りません。長期間ヒアルロン酸が入っていたことで周囲の組織が伸びてしまったり、炎症によって癒着が起きていたりすると、中身を溶かした後にバストが垂れたり、萎んだような質感になったりすることがあります。また、石灰化したしこりは溶けないため、それらを手術で取り出した場合は、手術の傷跡や組織の欠損による凹凸が残る可能性もあります。

ヒアルロン酸以外で安全な豊胸術はありますか?

完璧にリスクがゼロの施術はありませんが、ヒアルロン酸よりも長期的な安全性が確立されている方法はあります。例えば、ご自身の脂肪を採取して胸に注入する脂肪注入豊胸は、異物反応が起きにくく、しこりのリスクもヒアルロン酸よりコントロールしやすいとされています。また、シリコンバッグ豊胸は、万が一の際にバッグごと取り出すことが可能なため、乳がん検診への影響もヒアルロン酸よりは少ない(検査技師がバッグの存在を認識しやすい)という側面があります。それぞれのメリット・デメリットを専門医としっかり相談することが重要です。

藤林万里子
形成外科専門医:グラムルールクリニック銀座 院長
グラムルールクリニック院長の藤林万里子と申します。私は日本形成外科学会認定専門医および日本美容外科学会(JSAPS)正会員として、美容医療に携わってまいりました。患者様の理想とする美しさを実現し、自信に満ちた毎日を送っていただくためのサポートを全力で行ってまいります。

【主な資格】
日本形成外科学会 認定専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
【経歴】
2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長
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