副乳の除去手術とは?方法や費用の目安から保険適用の条件まで紹介

脇の下などの膨らみが気になる副乳は、除去手術を行うことで形をきれいに整え、長年のコンプレックスや痛みを根本から解決することができます。
脇の下にぽっこりとした膨らみがあると、お気に入りのノースリーブを着るのを躊躇してしまったり、太って見えるのではないかと気になったりするものです。また、生理前になると脇の下が痛む、妊娠や出産を機に膨らみが大きくなって乳汁のようなものが出て困るといった実害に悩まされるケースも少なくありません。この副乳をすっきりと解消するための選択肢が、医療機関で行われる除去手術です。本記事では、副乳を取り除く手術にはどのような種類があるのか、治療後にどのような経過をたどるのか、さらに気になる費用相場や保険適用の可否について詳しく解説します。術後の傷跡や生活への影響も分かりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
副乳 除去手術で悩む方は一度ご相談ください。

目次

副乳とは?手術を検討する前に知っておきたい基礎知識

生まれつき乳房以外の場所にできる乳腺組織

人間の体には、胎児の段階で乳首から足の付け根(鼠径部)にかけての乳腺堤と呼ばれるライン上に、複数の乳腺の芽が存在しています。通常、成長する過程で胸以外の部位にある乳腺の芽は退化して消えていきますが、これが消えずに残ってしまったものを副乳と呼びます。そのため、副乳は太ったことによる脂肪の蓄積だけが原因ではなく、生まれつき備わっている乳腺組織そのものが原因です。

脇の下にできやすい副乳の特徴

退化しきれずに残る副乳は、その多くが脇の下(腋窩)に現れます。見た目は少し盛り上がった脂肪の塊のように見えますが、人によっては中心部に小さな乳頭(乳首)や乳輪のような皮膚の変化が見られることもあります。特に女性の場合、ホルモンの影響を受けやすいため、体が成熟する思春期以降や、妊娠・出産をきっかけに乳腺が発達して初めてその存在に気づくケースが非常に多いです。

生理前や妊娠期に起こる痛みや張りの原因

副乳は通常の胸と同じ乳腺組織で構成されているため、女性ホルモンの分泌量変化に敏感に反応します。生理前になると胸が張って痛むのと同様に、脇の下の副乳も張ったり、ズキズキとした痛みを感じたりすることがあります。特に妊娠期や授乳期には、母乳を作るための準備として副乳の乳腺も大きく発達し、場合によっては副乳から母乳のような液体が分泌されることもあります。こうした周期的な痛みや不快感は、副乳特有の症状です。

副乳と単なる脇の脂肪との違いを見分けるセルフチェック

脇の下の膨らみが、単に皮下脂肪が溜まったものであるのか、それとも乳腺組織が存在する副乳であるのかを自身で見分けることは、治療方針を決める上でも重要です。いくつかのポイントに着目することで、ある程度の推測を行うことができます。

触ったときの硬さやしこりの有無

脇の下を優しく触ってみたときに、全体が柔らかい脂肪ではなく、中に少しコリコリとした硬いしこりのような塊(乳腺)を感じる場合は、副乳である可能性が高くなります。単なる脂肪であれば、触っても一様に柔らかく、境界線がはっきりしない滑らかな感触になります。一方で、副乳はつまんだときに中に板のような平らな硬い組織が触れることが特徴です。

月経周期に伴う変化があるかどうか

最もわかりやすい見分け方は、月経(生理)の周期に合わせて症状が変化するかどうかです。生理前になると脇の下の膨らみが大きくなり、触ると痛む、あるいは熱を帯びたように感じる一方で、生理が終わると膨らみが少し小さくなり、痛みも引いていくというサイクルがある場合は、ほぼ間違いなく副乳と言えます。単なる脂肪であれば、月経周期によって痛みが生じたり、サイズが急激に変化したりすることはありません。

脇の下の膨らみは、単なる脂肪と思っていても実は乳腺が隠れていることが多いです。月経時に痛みや張りを感じるなら、一度専門医に診てもらいましょう。

副乳の除去手術における治療方法の種類

乳腺組織を確実に切除する切開法

副乳の治療において、最も確実に乳腺組織を取り除くことができる方法が切開法(乳腺切除術)です。これは皮膚を切開し、医師が直接目で確認しながら余分な乳腺組織を根本から摘出する手術方法です。

切開法の具体的な手順とアプローチ

切開法では、まず手術を行う部位に局所麻酔を施します。麻酔が十分に効いたことを確認した後、脇の下のシワに沿って数センチメートルほど皮膚を切開します。脇のシワに沿ってメスを入れることで、術後の傷跡を目立たなくさせる工夫がなされます。皮膚の下にある乳腺組織を周囲の組織から丁寧に剥がしながら切除し、同時に余分な皮膚がある場合はその皮膚も適宜切り取って縫合します。手術時間は片側でおよそ30分から1時間程度です。

切開法を選択するメリットと術後の仕上がり

最大のメリットは、乳腺組織を確実に全て除去できるため、将来的に再び膨らんだり、生理周期に合わせて痛んだりする心配がほとんどなくなる点です。また、妊娠や出産、加齢によってたるんでしまった脇の下の皮膚も同時に引き締めることができるため、すっきりとした美しい脇のラインを作ることができます。傷跡は数ヶ月から1年ほどかけて白い細い線のようになり、脇のシワに紛れてほとんど分からなくなるのが一般的です。

傷跡を最小限に抑える脂肪吸引法

副乳の膨らみの大部分が脂肪で構成されている場合、あるいは乳腺が非常に小さく脂肪の割合が多い場合には、脂肪吸引法が適応となることがあります。

脂肪吸引が適しているケースと手術の流れ

この方法は、脇の下に数ミリメートルほどの非常に小さな穴を開け、そこからカニューレと呼ばれる細い金属製の管を挿入して、余分な脂肪組織を掃除機のように吸引していく術式です。手術は局所麻酔、あるいは静脈麻酔を併用して行われます。吸引が終わった後は、小さな穴を1針程度縫うか、あるいはそのまま保護パッドで圧迫して終了するため、体への負担が比較的少ないのが特徴です。

脂肪吸引法のメリットとデメリット

脂肪吸引法のメリットは、なんといっても傷跡が極めて小さいことです。数ミリメートルの穴で済むため、術後の回復が早く、ダウンタイムも短期間で済みます。一方でデメリットとしては、カニューレでは硬い乳腺組織を十分に吸引することができない点が挙げられます。そのため、乳腺がしっかりと発達しているタイプの副乳に脂肪吸引だけを行うと、脂肪は減っても硬い乳腺が中に残り、膨らみや痛みが改善しきれないことがあります。

状態に合わせて組み合わせる複合治療

副乳のボリュームが大きく、乳腺組織と脂肪組織の両方がしっかりと存在している場合には、これら2つの治療法を組み合わせた複合治療が行われることもあります。

乳腺切除と脂肪吸引を併用する理由

脇の下の膨らみ全体をすっきりと平らにするためには、硬い乳腺を切り取るだけでなく、周囲に広がっている余分な脂肪も合わせて減少させる必要があります。複合治療では、まず脂肪吸引によって脇から胸にかけての広い範囲の脂肪を減らし、なだらかな傾斜を作った上で、シワに沿った小切開から乳腺組織を的確に摘出します。このアプローチにより、切開する範囲を最小限に留めつつ、取り残しのない確実な除去と、段差のない滑らかで自然な仕上がりを同時に実現することができます。

副乳の状態によって、切開が良いか脂肪吸引が良いかは異なります。乳腺の大きさに合わせた適切な方法を医師とじっくり相談して選びましょう。

副乳の除去手術にかかる費用の相場と保険適用の条件

健康保険が適用されるケースと基準

副乳の除去手術を検討する上で、多くの人が気にするのが費用の問題です。この手術には、健康保険が適用されるケースと、全額自己負担となる自由診療(保険適用外)のケースが存在します。

病的な痛みや不快感がある場合の保険適用

保険適用となる主な基準は、その副乳によって日常生活に支障をきたす病的な症状があるかどうかです。例えば、生理周期に伴って脇の下に強い痛みが生じ、仕事や家事に支障が出ている場合や、衣服と擦れて慢性的な炎症を起こしている場合、あるいは妊娠・授乳期に副乳から乳汁が分泌されて衛生上の問題が生じている場合などは、治療が必要な疾患とみなされ、健康保険の適用対象となることがあります。この場合、一般的には形成外科や皮膚科、乳腺外科などで手術を受けることになります。

保険適用で手術を受ける場合の費用目安

健康保険(3割負担)が適用される場合の手術費用は、片側で約1万5000円から3万円、両側を同時に手術する場合は約3万円から6万円程度が相場となります。これに加えて、事前の血液検査代や初診・再診料、術後に服用する処方薬代、さらに切除した組織に異常がないかを調べる病理組織検査の費用などが数千円から1万円程度追加されます。総額としては、自己負担額でおよそ4万円から8万円程度を見ておくとよいでしょう。

自由診療(全額自己負担)となるケース

一方で、体に痛みがなく、日常生活にも大きな不便はないものの、見た目のコンプレックスを解消したいという目的で手術を受ける場合は、美容目的の自由診療扱いとなります。

美容目的や傷跡の仕上がりを重視する場合

脇の下のポッコリとした膨らみをなくしてノースリーブを綺麗に着こなしたい、脂肪吸引を併用して脇のラインを徹底的に美しく整えたいといった審美的な要望に基づく治療は、保険適用外の自由診療となります。美容外科や美容皮膚科で治療を受ける場合、より目立ちにくい極細の糸を使用したり、麻酔の種類を選択できたり、アフターケアに特化したオプションが用意されていたりと、患者の希望に細かく応じた医療サービスが提供されますが、その分費用は高額になります。

自由診療での手術費用の相場

自由診療で副乳の除去手術を受ける場合の費用相場は、手術方法やクリニックの料金体系によって大きく異なりますが、両側で約20万円から40万円程度が一般的です。脂肪吸引のみ、または小切開による乳腺切除のみであれば15万から25万円前後、乳腺切除と脂肪吸引を併用して広範囲を美しく整える複合的な手術の場合は、35万から50万円以上になることもあります。これら自由診療の提示額には、事前のカウンセリング料や麻酔代、術後の検診費用が含まれているかどうかも事前に確認しておくことが大切です。

痛みなどの症状があれば保険診療で安く抑えられます。一方で、仕上がりの美しさにこだわりたい場合は、自由診療も視野に入れて検討しましょう。

副乳の除去手術によるダウンタイムと術後の経過

手術当日から数日間の過ごし方と痛みの管理

副乳の除去手術は、多くの場合は日帰りで行われます。手術後は麻酔が徐々に切れていくため、術後の経過や日常生活での注意点を理解しておくことが、安全な回復への近道となります。

術後の腫れや内出血のピークと引き方

手術直後から数日間は、手術部位に腫れや軽度の内出血(青あざ)、むくみが生じます。これらは生体の正常な防御反応であり、手術後2日から3日目をピークに徐々に落ち着いていきます。内出血は、個人差はありますが通常1週間から2週間程度で黄色っぽく変化しながら消退していきます。この期間は、脇の下に急激な刺激を与えないよう、動きを最小限に抑えることが推奨されます。

痛み止め薬の服用と効果

手術当日の夜から翌日にかけてが、痛みのピークとなることが多いです。処方された消炎鎮痛剤(痛み止め)を医師の指示通りに内服することで、日常生活を問題なく送れるレベルにコントロールすることが可能です。痛みが引いてきたと感じても、処方された抗生物質(化膿止め)などは、感染予防のために最後まで飲みきることが重要です。また、患部を冷やすことで、痛みや腫れを早く和らげる効果が期待できます。

抜糸や仕事復帰までのスケジュール

手術後の回復スピードや、いつから普段通りの生活に戻れるのかというスケジュール感は、仕事やプライベートの予定を立てる上で非常に重要です。

デスクワークや立ち仕事ができるタイミング

切開法や脂肪吸引法に関わらず、デスクワークや軽い家事程度であれば、手術の翌日または翌々日から再開することが可能です。ただし、重い荷物を持つ、腕を大きく上に挙げる、満員電車で脇を圧迫されるといった、脇の下に大きな負担がかかる動作は避けてください。力仕事や美容師、介護職など、腕を頻繁に酷使する立ち仕事の場合は、手術後3日から5日程度お休みを確保しておくと安心です。

運動や入浴が再開できる時期

手術後に抜糸が必要な切開法の場合、手術後およそ7日から10日目にクリニックを受診して抜糸を行います。抜糸が完了するまでは、患部を湯船に浸ける入浴は避け、シャワーのみ(傷口を濡らさないように保護するか、医師の許可が出れば優しく洗い流す程度)で済ませます。スポーツやジムでのトレーニング、水泳、重いウエイトを持ち上げるような本格的な運動の再開は、術後の経過に問題がないことを確認した上で、一般的に術後3週間から1ヶ月程度経ってからとなります。

術後1週間は腕の動きに少し制限が出ますが、無理をしなければ日常生活は問題ありません。回復を早めるためにも、処方薬はしっかりと服用してください。

副乳の除去手術に関してよくある質問

除去手術を受けた後の傷跡は目立ちますか?

切開を伴う手術を行う以上、傷跡が完全にゼロになることはありません。しかし、副乳の除去手術では、脇の下の元々ある皮膚のシワに重ねるようにしてメスを入れるため、非常に目立ちにくく仕上げることが可能です。術後数週間から1ヶ月程度は赤みや硬さが残りますが、3ヶ月から半年、1年と時間が経過するにつれて、傷跡は肌色から白い細い線のようになり、脇のシワに馴染んでほとんど分からなくなります。また、傷跡の修復をサポートするテープ保護などを術後に行うことで、より綺麗に仕上げることができます。

妊娠中や授乳中でも手術は受けられますか?

妊娠中や授乳中の方は、原則として副乳の除去手術を受けることはできません。理由としては、手術時に使用する局部麻酔薬や術後に内服する抗生物質、痛み止めがお腹の赤ちゃんや母乳に影響を与える可能性があるためです。また、この時期は女性ホルモンの分泌が非常に活発で、乳腺組織自体が大きく腫れ上がって血液循環も豊富になっているため、手術時の出血量が増えるリスクや、術後の形を正確に整えにくいという技術的な問題もあります。授乳が完全に終了し、乳腺が元の落ち着いた状態に戻ってから、少なくとも3ヶ月から半年以上経過したタイミングで手術を検討することをお勧めします。

手術後に副乳が再発することはありますか?

切開法によって乳腺組織を根本からしっかりと切除した場合、副乳が再発することは基本的にありません。切り取られた乳腺が再び体内で作り出されることはないためです。しかし、もし乳腺組織の取り残しがあった場合や、脂肪吸引のみの治療で乳腺が中に残されていた場合、その後の妊娠・出産やホルモンバランスの変化、急激な体重増加などによって、残った乳腺が再び肥大して膨らみが目立つようになることはあります。そのため、事前の診察で乳腺の範囲を正しく診断し、適切な術式で確実に取り切ることが再発を防ぐための重要なポイントです。

手術は痛いですか?麻酔についても知りたいです。

手術中は、局所麻酔を施すため、痛みを感じることはありません。最初の麻酔の注射の瞬間にチクリとした痛みはありますが、麻酔が効いてしまえば、術中にメスが入ったり組織が引っ張られたりする感覚はあっても、痛みそのものは感じずにリラックスして治療を受けることができます。もし注射の痛みそのものが極端に苦手な方や、手術に対する強い恐怖心がある方の場合は、クリニックによっては笑気麻酔(吸入するリラックス麻酔)や、うたた寝している間に手術が終わる静脈麻酔などを併用して、完全に眠ったような状態で手術を行うことも可能です。不安な点があれば事前に麻酔の選択肢について相談してみてください。

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藤林万里子
形成外科専門医:グラムルールクリニック銀座 院長
グラムルールクリニック院長の藤林万里子と申します。私は日本形成外科学会認定専門医および日本美容外科学会(JSAPS)正会員として、美容医療に携わってまいりました。患者様の理想とする美しさを実現し、自信に満ちた毎日を送っていただくためのサポートを全力で行ってまいります。

【主な資格】
日本形成外科学会 認定専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
【経歴】
2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長
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