アクアフィリング除去は保険適用にならないの?

アクアフィリング除去 保険適用

アクアフィリング除去の費用負担が全額自己負担になる背景には、もともとの豊胸手術が自由診療であるという公的医療保険の根本的なルールが関係しています。かつては画期的な注入法として広まったアクアフィリングですが、現在はしこりや感染症、ジェルの移動といったトラブルが相次いでおり、除去を検討する方が非常に増えているのが現状です。しかし、いざ処置を受けようと病院を訪れても、健康保険が使えないという事実に戸惑いや不安を感じるケースも少なくありません。アクアフィリング除去で悩む方は一度ご相談ください。

目次

アクアフィリング除去が保険適用外とされる主な理由

自由診療に伴う合併症の治療は原則として自費負担

日本の医療制度において、健康保険が適用されるのは「病気やケガの治療」に限られています。美容目的で行われた豊胸手術は、もともと病気ではない状態に対して行われる「自由診療」に分類されます。そのため、その手術が原因で発生したしこりの除去やジェルの抽出といったアフターケアも、原則として自由診療の延長線上にあるとみなされます。たとえ痛みや違和感が生じていたとしても、その原因が美容手術によるものであれば、保険適用の対象外となるのが一般的な解釈です。この点が、多くの患者様が費用面で悩まれる最大の要因となっています。

混合診療の禁止ルールが壁になるケース

日本の医療制度には、保険診療と自由診療を併用することを原則として認めない「混合診療の禁止」というルールがあります。アクアフィリングの除去手術を保険で行おうとする場合、診察や検査、術後の投薬まですべてを保険の枠組みに収める必要があります。しかし、アクアフィリングの除去という行為自体が美容外科的な背景を持つため、一部の検査だけを保険で行い、手術を自費で行うといった柔軟な対応が難しいのが現状です。多くの医療機関では、手続きの整合性を保つために、一連の処置すべてを自由診療として案内せざるを得ない状況にあります。

美容目的の施術に対する厚生労働省の判断

厚生労働省や関連する学会の指針においても、アクアフィリングなどの充填剤を用いた豊胸術は、その安全性や長期的な影響について慎重な姿勢が取られています。かつては推奨された時期もありましたが、現在は多くの合併症報告があることから、日本美容外科学会(JSAS)なども注意喚起を行っています。しかし、国が「この治療は危険だから保険で除去を認める」といった公的な決定を下さない限り、現場の判断で勝手に保険を適用することはできません。現時点では、美容目的の施術による後遺症への対応は、あくまで個人の責任と費用負担において解決すべきものとされています。

全額自己負担は家計にとって大きな負担ですが、中途半端な処置でトラブルを繰り返すと結果的に総額が高くなります。信頼できる専門医で一度に確実に処置することが、最善の節約になると心得ましょう。

保険が適用される可能性がある例外的なケースとは

重度の感染症や皮膚の壊死を伴う緊急事態

原則として保険適用外のアクアフィリング除去ですが、極めて例外的に保険が適用される、あるいは保険診療の枠組みで対応されるケースがあります。それは、命に関わるような重度の感染症を引き起こしている場合や、皮膚が壊死してしまい緊急的な外科処置が不可欠な状況です。

この場合、目的は美容の修復ではなく敗血症の防止や組織の壊死食い止めという、生命維持に直結する救急医療としての扱いになります。ただし、こうした状況は非常に危険な状態であり、美しさを保ちながら除去するという段階を越えてしまっていることが多いのが実情です。

他の疾患の診断や治療に不可欠な場合

例えば、乳がんの疑いがあり精密検査が必要な際、アクアフィリングが邪魔をして正確な生検や診断ができない場合など、他の病気の治療を優先するために除去が必要と判断されることが稀にあります。

このようなケースでは、主疾患の治療計画の一部として除去が含まれる可能性があります。しかし、これは非常に特殊な事例であり、単に将来がん検診を受けやすくしたいからという予防的な理由では、保険適用の認定を受けることは困難です。あくまで現在の疾患治療に直接的な支障が出ているかどうかが判断基準となります。

保険適用で除去するシチュエーションでは重篤な症状が起きている可能性が高いので、そうなる前に除去することをお勧めします。

アクアフィリング除去に関するよくある質問

一度の手術ですべて取り除くことはできますか?

アクアフィリングの特性上、一度の手術ですべてを完全に取り去ることは難しい場合が多いです。ジェルが組織の細かい隙間に入り込んでいるため、目に見える範囲や吸引できる範囲を最大限処置しても、微量が残る可能性があります。ただし、大半を除去することで炎症のリスクや不快感は劇的に改善されます。残った微量のジェルが将来的に問題を起こさないよう、術後の定期的な経過観察が推奨されます。状態によっては、期間を空けて二度目の処置を行うこともありますが、多くの場合は一度の適切な手術で平穏な生活を取り戻せます。

痛みがなくても早めに除去したほうがいいのでしょうか?

現時点で痛みやしこりなどの自覚症状がなくても、アクアフィリングを注入している場合は早めの除去検討をお勧めします。この素材は時間が経つほど組織に浸潤し、マイグレーション(移動)を起こす確率が高まるからです。トラブルが起きてから、つまり炎症や皮膚の変色が始まってからでは、手術が複雑になり、除去できる量も限られてしまいます。また、加齢とともに乳がんのリスクは高まりますが、ジェルの存在が検診の妨げになるという点は、将来的に大きな不安要素となります。何もない今だからこそ、安全かつ確実に処置ができる時期だと言えます。

藤林万里子
形成外科専門医:グラムルールクリニック銀座 院長
グラムルールクリニック院長の藤林万里子と申します。私は日本形成外科学会認定専門医および日本美容外科学会(JSAPS)正会員として、美容医療に携わってまいりました。患者様の理想とする美しさを実現し、自信に満ちた毎日を送っていただくためのサポートを全力で行ってまいります。

【主な資格】
日本形成外科学会 認定専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
【経歴】
2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長
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